深海魚の分布

海は広くとてつもなく深いです。今回はそんな海に生息する深海魚の分布についてのお話です。

 

 

深海生物の分布について

深海には光合成や化学合成を行うような基礎生産者が存在しません。基礎生産というのは植物などが光合成などで有機物を生産することです。

 

その基礎生産者がいないため深海生物がエネルギー源としているのは浅海や陸地の生物の遺骸や排泄物です。

 

その性質上、陸に近いほうが、エネルギー源がたくさん確保できますから、深海魚というのは陸地に近いほど多く、外洋にいくほど少なくなります。

 

外洋の中でも対流が起きない熱帯域はとくに表層に住む生物が少ないので、海の上も下も荒涼としてしまいます。

 

底生性深海魚の分布は海底の地形により大きく左右されます。それに対し遊泳性深海魚は地形に左右されずに広い地域に分布しています。

 

深海の垂直方向の区分について

海を垂直方向にとらえて深海を区分したら以下になります。

 

■中深層(200〜1000m)

 

■漸深層(1000〜3000m)

 

■深海層(3000〜6000m)

 

■超深海層(6000m以深)

 

中間層まではわずかながら日光の光が届きますが、漸深層からは全く光の届かない暗黒の世界になっています。

 

ここまでくると生物が利用可能な有機物は、表層のわずか5%程度になり深海層、超深海層と深くなればなるだけその数は少なくなっていきます。

 

深海層ともなれば水温もわずか1,2℃程度になります。ただし温度変化はほとんどなく安定を保っています。

 

超深海までくると水圧は600気圧にも及びます。このすさまじい水圧の中生存可能な生物は一部の底生魚のみです。

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