深海魚の食性

深海魚が何を食べて生きているのか。今回は深海魚および深海生物の食性についてのお話です。

 

 

深海魚って何を食べるの?

そもそも深海魚の捕食の様子というのを捉えるのって物凄く難しいんです。

 

深海魚って個体数の割に、密度が低いから捕食するものとされるものが出会う機会というのが凄く少ないんです。

 

だから深海魚の食べているものっていうのは胃のなかの内容物を調べたり、身体構造から推測することが多いんですね。

 

うーむこういうところはまるで化石のようですね。

 

・・・とはいえこれもうまくいくことが少なくて、引き上げたはいいものの水圧の急激な変化で胃の中のもの全部吐いてたり、そもそも餌をとる機会が少ないので胃が空っぽだったりすることが多いのです。

 

深海魚の食性の推測

上記の理由で深海魚の食性というのは、直接的には断定しずらいですが、胃の中に生物がいなくても、それ以外の堆積物から食性を探ることは可能です。

 

胃の中から砂が見つかればその深海魚は底生性生物を捕食している可能性が高いし、逆に全くなければそれ以外を捕食している可能性が高いということになりますね。

 

プランクトンを食べる深海魚

小型の遊泳性深海魚はオキアミのような動物プランクトンを捕食することが多いです。(リュウグウノツカイみたいな5,6mあってプランクトン主食のものもいますが)

 

クラゲはあまり食べられない?

深海魚の食性

深海にかなり多くいるクラゲですが、彼らはあまり捕食対象にはならないといいます。ゼラチン質の生物は栄養価が低いから不人気なのかな。あとクラゲは毒があるので避けられてる可能性も高いです。クラゲとか食べる深海魚も一部確認されていますが、そういった生物の食道や口の中は厚い結合組織で硬く守られているみたいです。単にすぐに消化されるから胃に残らないだけという説もあります。

 

 

 

 

「腐肉食性」とは?〜遺骸は重要な栄養源〜

海底に沈んだ大型生物の遺骸というのは深海生物にとって貴重な栄養源となります。とくにコンゴウアナゴみたいな遺骸しか食べないような生物の食性を「腐肉食性」といいます。

 

こうした腐肉食性の生物というのは、いつ食べ物にありつけるかわからないので、普段は滅多にエネルギーを使いません。ほとんど動かず、流れに身を任せています。

 

なんとも我々人間には到底真似できない生き方な気がしますよね。

 

また遺骸を直接食べることをしなくても、遺骸に集まってくる生物を狙うものもいます。

 

日周鉛直移動について〜深海魚が餌を求めて浅海へ?〜

日周鉛直移動というのは日中深海にすむ生物が、夜になると餌目的で浅海に移動する行動のことを指しています。

 

主に深海の中深層にいる遊泳性深海魚に見られる特徴ですね。ハダカイワシなんかが日周鉛直移動を行う魚として代表的です。

 

深海魚の多くが浮き袋があまり発達していませんが、この日周鉛直移動を行う深海魚に関しては割かし発達しています。ただ水圧が急激に変わるため浮き袋にガスの代わりに脂肪を内蔵しているタイプもいます。

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