マッコウクジラの深海への適応

マッコウクジラは深度2000mを超えるような深海でも活動できます。クジラは全般的にかなり深いところまで潜れるのですが、マッコウクジラは中でも潜行能力に突出しています。

 

 

深海に潜る目的

こんなにも深海に潜っていく理由は主に餌狩りです。ダイオウイカのような巨大無脊椎動物を主食としています。ダイオウイカvsマッコウクジラという構図はわりと有名ですが、フィクションではありません。実際の様子を撮影した記録はないもののマッコウクジラの胃の内容物からその戦いはリアルに繰り広げられているといいます。

 

深海で視えるの?

深海は深度1000m以下にもなるともうほとんど光が届かない暗黒の世界です。そんな世界でどうやって餌を見つけるのか不思議に思いますが、マッコウクジラには「反響定位(エコロケーション)」という能力があります。

 

反響定位とは:
反響定位というのは動物が発した音が他の物体にぶつかって返ってきたものを受信し、その物体の位置を知ることができる能力です。マッコウクジラのようなハクジラ類は自らクリック音といわれる超音波を発することで、餌の位置や障害物の確認を行っています。

 

水圧で潰されないの?

人間のような陸上哺乳類の場合深海1000mなんて深度では間違いなく肺が潰れてしまいます。風船の原理ですね。
クジラのような水生ほ乳類の場合も肺で呼吸する点は同じなのですが、クジラというのは肺に取り込んだ酸素のほとんどを筋肉中に蓄える仕組みを持っています。
一度肺に取り込んだ酸素をほぼ全て筋肉に取り入れているので肺に酸素はなくなります。つまりクジラの肺は元々しぼんだ状態ですので深海における大きな水圧の影響をうけ潰れることはありません。空気のない風船がそれ以上潰れようがないのと同じですね。

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